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【山形県】平成27年度公立高校入試問題の分析と対策<数学>

平成27年度、山形県立高校の入試問題<数学>を紹介します。
出題の傾向と分析、今後の対策をまとめています。
入試対策の参考になれば幸いです。
平成27年度入試問題の構成と特色
過去10年と同様、大問4題の構成は変わりませんでしたが、大問ごとに出題傾向や出題形式に変化が見られました。出題単元は右の表の通り全領域からバランスよく出題されています。全般的に基本重視の問題構成でありながら、自分の考えを説明する力が求められる問題や複数の学習単元を関連付けた出題も多くなりました。
大問ごとの特徴
第1問
例年と大きな変化は見られませんでしたが、確率が標本調査と関連させて第2問へ、資料の活用が第1問へそれぞれ移動しました。また、式の値が新登場し、計算過程で因数分解を利用させるなど、複数の単元組み合わせた問題が多く見られました。また、日本文を不等式で表す選択問題も新登場となりました。難易度は例年通りであるため、比較的解きやすい問題内容であったと言えます。
第2問
問題構成に大きな変化は見られませんでしたが、関数では反比例・一次関数・2乗に比例する関数の総合問題からの出題や確率と標本調査の複合問題など各学年で学習する内容がしっかり定着していないと解けない問題でした。また、連立方程式では、人数または時間を文字でおくことで立式できるが、分と秒の単位変換にも注意が必要な問題であったと言えます。
第3問
昨年に続き動点に関する出題でしたが、2点が同時に動く・1つの点が止まっている間も他の点は動き続けるなど複数の情報を正確に読み取れていないと対応できない内容でした。例年よりも難易度は低めに感じられますが、y = ax2のグラフ作成やグラフのモデル図を選択する問題など、新傾向の出題に戸惑い、難しいと感じたのではないでしょうか。
第4問
例年通り、円と図形を絡めた問題からの出題でした。しかし、作図の手順を説明する問題や三段論法を利用した証明問題など1題1題が手のかかる問題でした。図形の面積比の問題では、円の性質と三平方の定理から長さを求め、相似比と面積比の関係を利用して面積比を求めるなど、図形分野を総合的に理解していないと解けない内容であったと言えます。
分野
|
単元
|
年度 | |||
H25 | H26 | H27 | |||
数と式
|
数・式の計算 | ◯ | ◯ | ◯ | |
因数分解 | ◯ | ◯ | |||
平方根 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
不等式 | ◯ | ||||
式の値 | ◯ | ||||
方程式
|
一次方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | |
連立方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
二次方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
関数
|
比例・反比例 | ◯ | ◯ | ||
一次関数 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
関数y = ax2 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
グラフの作成 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
図形
|
平面図形
|
角度 | ◯ | ◯ | |
合同・相似 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
三平方の定理 | ◯ | ◯ | |||
円の性質 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
空間図形 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
計量
|
長さ | ◯ | ◯ | ||
面積 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
体積 | ◯ | ◯ | |||
証明 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
作図 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
統計
|
場合の数 | ||||
確率 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
資料・標本調査 | ◯ | ◯ | |||
規則性を見つける問題 | ◯ |
平成28年度受験生への学習アドバイス
来年度も、出題の質・量ともに大きな変化がないものと考えられますが、教科書改訂に伴う移行措置内容からの出題には引き続き注意が必要です。どの分野でも、計算ミスは大きな失点につながるため、正確な計算力を今のうちから身につけておくことが大切です。また各学年で学習する単元を関連付けた出題が多くなってきているため、全学年の学習内容を復習することが重要になります。応用よりも基礎・基本を重視した学習を心がけてほしいと思います。