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【山形県】平成28年度公立高校入試問題の分析と対策<国語>

平成28年度、山形県立高校の入試問題<国語>を紹介します。
出題の傾向と分析、今後の対策をまとめています。
入試対策の参考になれば幸いです。
平成28年度入試問題の構成と特色
大問構成は昨年までと同様5題構成でした。
第1問はH27年度の随筆にかわり小説が出題され、第2問の論説文、第3問の古文、第4問の語句の知識、第5問の作文という出題は例年通りです。
例年、学習指導要領の「書くこと」に重点をおいた出題でしたが、それに加え「話すこと・聞くこと」の要素を取り入れた問題も出題されました。
また、慣用句や文法事項など知識を問う問題も増加傾向にあります。
全体を通しての難易度は例年並みと言えます。
大問ごとの特徴
第1問
比較的読みやすい文章ではありましたが、各設問の中には記述問題を中心に受験生が解きにくいと考えられるものが多く見られました。また過去2年は第2問で出題されていた選択問題が第1問に出題されました。
記述問題では、朗読の仕方や話し合いの仕方など「話すこと・聞くこと」の力がついているかどうかも問われる問題と言えます。
第2問
筆者の考えと内容把握が中心に出題されました。昨年同様、記述力が問われる問題を中心に構成されています。さらに、文法事項など知識を問う問題も出題されました。選択肢の問題は、例年ほど難易度は高くなく、解きやすい問題と言えます。
第3問
分量・難易度ともに例年並みと言えます。現代仮名遣いや会話部分の把握など基本的な解法を身につけていれば得点しやすい問題でした。問5の記述問題は字数も多く、苦戦した受験生が多かったと思われます。
第4問
昨年同様問2は選択問題ではなく故事成語に関する問題でした。内容は教科書レベルの基本問題と言えます。
第5問
与えられた資料を活用し、「私と地域との関わり」について、考えをまとめる作文です。身近なテーマであるとともに、自身の体験等を含めてまとめる作文の練習を重ねてきた受験者も多く、取り組みやすい内容だと言えます。
分野 | 単元 | 年度 | ||
H26 | H27 | H28 | ||
文学的文章 | 文脈把握 | ◯ | ◯ | ◯ |
内容説明 | ◯ | ◯ | ◯ | |
心情理解 | ◯ | ◯ | ||
表現理解 | ◯ | ◯ | ◯ | |
登場人物の行動把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
説明的文章 | 文脈把握 | ◯ | ◯ | ◯ |
内容説明 | ◯ | ◯ | ◯ | |
要旨把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
語句の知識 | 文の成分と品詞 | ◯ | ◯ | ◯ |
漢字の読み書き | ◯ | ◯ | ◯ | |
ことわざ・慣用句 | ◯ | |||
画数・部首・書体 | ◯ | |||
敬語・表現の工夫 | ◯ | |||
熟語の知識 | ◯ | ◯ | ◯ | |
漢文 | ◯ | |||
古典 | 歴史的仮名遣い | ◯ | ◯ | ◯ |
内容把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
口語訳 | ◯ | |||
主語把握 | ◯ | |||
主語把握 | ◯ | ◯ | ◯ | |
表現 | 作文(自由・課題) | ◯ | ◯ | ◯ |
平成29年度受験生への学習アドバイス
書いてある内容を理解できるかどうかだけでは答えられない設問の出題が見られる傾向を踏まえ、「自分で考える・表現する」ことを念頭に置いたトレーニングが必要になってきます。
小説では心情理解、説明的文章では筆者の考えや主張が何であるかを常に意識しながら読んでいくことが大切です。
古文は問題数をこなして読むことに慣れておくこと、第4問は教科書レベルの基本文法や語彙を確実に理解しておくこと、作文は必ず第三者に採点してもらい、自分の意見がまとめられているかを確認することを大切にしていきましょう。