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【福島県】平成29年度公立高校入試問題の分析と対策<英語>

平成29年度、福島県立高校の入試問題<英語>を紹介します。

出題の傾向と分析、今後の対策をまとめています。

入試対策の参考になれば幸いです。

平成29年度入試問題の構成と特色

 

構成は大問が5題、小問が32問と昨年よりも小問が1問少なかったものの、出題形式には大きな変化は見られませんでした。
 
リスニングや文法問題は基本的な問題が多く、長文問題でも昨年と同レベルの問題が出題されました。全体的に昨年よりもやや易しめの難易度でした。
 

大問ごとの特徴

 

【第一問】

放送による問題でした。2の放送を聴いて英単語を書く問題では、一昨年は形容詞と動詞、昨年は形容詞と名詞が出題されましたが、今年は動詞・形容詞・副詞・名詞が出題され、出題の幅が広がりました。
 
どれも基本的な単語でしたが、動詞には三単現のsが必要だったため要注意でした。また3は英問英答の選択問題ではなく、聞き取った単語を書く問題に変わっていました。

【第二問】

昨年と同様に、選択問題3問、並べ替え1問、対話の内容に合う文を選択する問題1問が出題されました。
選択問題3問のうち2問は単語、1問は名詞句を答えさせる問題でした。
 
選択問題は名詞や動詞の語形変化、疑問詞+to~の使い方とどれも教科書の基本レベルの問題でした。並べ替え1問は中3で学習する受動態を使う問題で、教科書に出てくるような基本的な英文でした。
 
対話の内容に合う文を選択する問題は、空欄の次の発言を見て適当な会話文を選択する問題でしたが、昨年までは空欄3か所に対し3つの文の組合せを選ぶ選択問題でしたが、今年は空欄が4つでそれぞれに文を選ぶ形式となったため、出来が分かれる問題となりました。

【第三問】

昨年同様、日本語のレポートの原稿とその英訳を読み比べて、語句の穴埋めをする問題が1問、和文英訳が1問出題されました。
 
和文英訳は、文法的には主節が未来表現で関係代名詞節が現在完了を用いるという、時制の区別が必要な比較的難しい問題でした。
加えて、「経験する」の意味の動詞や関係代名詞による後置修飾など、語彙も文法も力が必要とされる問題となっており、高難度であったと言えます。

【第四問】

対話文の読解問題でした。
 
学級委員の広大と芽衣が留学生のサラと話している場面で、対話の内容から、アンケート調査の結果を選ぶ問題、本文内容に合っている英文を選ぶ問題など例年と同様の出題形式でした。
 
指示語の内容を日本語で書く問題の出題が今年も消えて3年目となりました。代わりに英語の質問に英語で答える問題が2題出されました。
例年よりも選択問題が多く出題されていることからも易しいという印象を受けた受験生も多かったのではないでしょうか。
 

【第五問】

長文の読解問題でした。
 
カナダでホームステイをした咲が、ホストシスターのメアリーと体験したことについての内容でした。
出題形式は昨年同様で、本文内容に合う英文を選ぶ問題、本文中に正しい英単語を選んで穴埋めする問題、選択肢の英文の内容を「起こった順」に並べ替える問題、本文中の指示部(the language came to Dauphin)の理由を日本語で説明する問題、そして咲の体験に対しある生徒が書いた感想文を穴埋めする問題が出題されました。
 
日本語の記述は指示語の内容ではない点が昨年と異なりますが、指示部の直前の英文を訳せば正解となるため、解き方を知っている生徒にとっては、難易度はそれほど高くない問題でした。
 
(6)のある生徒が書いた感想を穴埋めする問題では、本文からそのまま答えとなる英語を抜き出すのではなく、本文中のmy fatherとmy motherという表現をher parentsと書き換えたり、本文中のI have never heard of themをthey are new to Maryと書き換えたりと、難易度の高い問題となっており、苦労した受験生が多かったと思われます。

平成30年度受験生への学習アドバイス

 

福島県公立高校入試の傾向から、どの志望校の生徒に関しても得点源となるのはリスニングです。今年度も35問中12問がリスニングでした。リスニングで得点を取るために毎日の教科書の音読を欠かさずに行ってほしいところです。
 
また、英語を書きとる問題では今年度は易しい単語が多かったため、リスニングで満点を取る生徒が多かったようですが、例年スペルの難しい単語や、スペル自体は簡単でも、聞き取りにくい問題が出題されるため、正しい発音ができるように、そして聞き取れるように学習することが必要です。
 
文法問題では中1・2・3の文法・単語・イディオムが幅広く出題されているので、早期に教科書内容を身につけ、総合問題に取り組むスケジュールを立てることをお勧めします。
 
長文問題では単語力と読解力の関係が密接であることは皆感じているはずですが、それだけでなく、長文問題で文法を問われる問題が必ず出題されています。
 
また、5(6)の要約文の穴埋め問題からわかるように、長文内容を把握しつつ、文法事項にも細心の注意を払って解き進める力が必要とされます。
こういった力をしっかりつけていくためには全学年の教科書内容を早期に終了させ、定着するまで何度も復習し、総合問題(リスニング・文法・長文)のトレーニングを数多くこなすことが重要です。