私はこれまで、数多くの中学３年生の指導にあたってきました。学習塾は入試の合否に対する結果責任を問われる立場にあると常々思っています。生徒全員の第一志望合格のために日々の業務を行っています。 ある年、40名程度の中３生が１人を除いて、全員合格したことがありました。合格するかどうか、ぎりぎりの生徒も多くいた中、みんなよくやってくれたと思います。ただ、残念ながら不合格になってしまった生徒は合格発表の後、教室で延々と泣き続けました。正直、勉強が苦手な生徒でした。しかし、毎日毎日、だれよりも早く教室に来て、遅くまで集中して勉強に取り組み続けていました。まわりの生徒が全員、合格の報告をしてくれる状況で、その生徒が泣き続けていた姿がとても印象に残っています。 私はそれ以来、合格率１００％にこだわり続けています。

私は授業を行っているときに、生徒全員がどのような様子で授業に臨み、どのように取り組んでいるかを常に見ようと心がけています。全員にとってわかりやすく、意欲をもてるような授業を行うことは、至難の業です。そうであっても、少しでも、１人でも多くの生徒に、「今日も塾に来て良かった」と思える授業を行いたい！という思いで日々授業をしています。私がこのように思うようになったのは、中学生のときの担任の先生の影響によるものです。今思うと、その先生は、私たちのことをよくみて、話しかけてくれていました。そして、それがいかに難しいことだと感じています。少しでも、その先生のようになりたいと、日々精進しています。

この仕事をしていて嬉しいことは、勉強が嫌いだった生徒が、私の授業や面談を通して、ここでならやってもいいかな・ここならやりたいなと変わっていく様子を見ることができることです。勉強が大好きという生徒は多くはありません。最初は保護者に連れられて、来たくもないのにしぶしぶ来校するケースが多いです。ただ、帰るときに笑顔で、次の予定を確認してくれる姿を見ると、この仕事のやりがいを感じます。この仕事を始めるときの面接で、人のためになる仕事がしたいといったことを覚えていますが、まさに日々、それを実感できています。生徒や保護者の方々が笑顔になってくれることが私にとって嬉しい瞬間です。