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【青森県】平成30年度公立高校入試問題の分析と対策<数学>

【平成30年度入試問題の構成と特色】
出題数は例年通り大問5問構成であり、出題傾向も大きな変化はありません。
一昨年は第3問において平面図形での大問、から空間図形での大問、完全証明から穴埋め証明への変化、第4問において放物線を使ったグラフの問題、から二次関数の利用への全体的に見れば大幅な変化がありました。
今年度入試も同様であったことから、当面はこの傾向での出題となると考えられます。
大問ごとの特徴
第1問
計算問題が8題、関数の問題が1題、図形問題が2題、資料の活用から1題出題されました。難易度は低く、ここでの失点は避けたいです。
第2問
小問2題の構成で、(1)の確率は内容が分かりにくくはなっていますが、丁寧に図形図を描くことで正確に解けます。(2)は、連立方程式の利用から文章問題。昨年の郵便物の料金表の問題に引き続き、非常に難易度は高いです。問題の意味が分からず、方程式を作る以前の段階で断念した生徒も多いです。考える力、を問われています。
第3問
図形分野より、(1)平面図形で基礎的な合同証明の穴埋め証明と角度の大きさ求める問題。こちらはいたって平易でした。(2)空間図形の線分の長さと面積、体積の比較の問題は、一昨年からの傾向変化による出題。空間図形での、自力で断面図を切り取って描き、平面図形の問題にすること、の練習を重ねていないと太刀打ちできないため、大きく失点してしまう問題でした。
第4問
3年前までであれば放物線のグラフ問題からの出題ですが、一昨年度は2点動点問題へ、昨年度は図形が動くことによる動点問題、今年度も2点動点問題でした。変化の様子が二次関数的であることを見抜き、その様子をグラフにし、グラフ上で解いていく、という作業が必要になります。来年度入試においても動点問題での出題が濃厚であることを踏まえた準備をしていきたいです。
第5問
一見、規則性の複雑な問題のように見えますが、その実ただの文字式の利用の問題でした。問題文の与えた情報を理解し、それを自分なりに図示して考えることができれば対応可能です。ただ、理解し、図示する、ということ自体が未熟な受験生が多い中では難問であったともいえるでしょう。
また、昨年の入試問題でも郵便物料金表の問題で見られたことですが、普段目にしたことのないような形式の表が与えられて、そこから必要な情報だけを引き出すという資料の活用力が試されています。
分野 | 単元 | 年度 | |||
H28 | H29 | H30 | |||
数と式 | 数・式の計算 | ◯ | ◯ | ◯ | |
因数分解 | |||||
平方根 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
文字式の利用 | ◯ | ||||
方程式 | 一次方程式 | ||||
連立方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
二次方程式 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
関数 | 比例・反比例 | ◯ | ◯ | ||
一次関数 | ◯ | ◯ | |||
二乗に比例する関数 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
グラフの作成 | ◯ | ||||
図形 | 平面図形 | 角度 | ◯ | ◯ | |
合同・相似 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
三平方の定理 | ◯ | ◯ | |||
円の性質 | ◯ | ◯ | |||
空間図形 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
計量 | 長さ | ◯ | ◯ | ◯ | |
面積 | ◯ | ||||
体積 | ◯ | ◯ | |||
証明 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
作図 | |||||
統計 | 場合の数 | ||||
確率 | ◯ | ◯ | ◯ | ||
標本調査 | ◯ | ||||
資料の活用 | ◯ | ◯ |
平成31年度受験生への学習アドバイス
平均点を目指すならシンプルな問題は落とさない、難しそうな問題には手を出さない。
高得点を目指すなら、考える力、図を描く力、資料を読み解く力を鍛える、ことに取り組んでほしいです。
計算ミスを許さない、問題文は意味が理解できるまでしっかり読む、図は丁寧に描く、この3点を忘れないようにしましょう。