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【山形県】平成30年度公立高校入試問題の分析と対策<社会>

【平成30年度入試問題の構成と特色】

本年出題の大問数は6問、小問数にして41問と昨年とほぼ同等の問題数でした。

例年通り地理・歴史・公民の三分野からの出題であり、記述問題は大問ごと1~3問、合計で11問とこちらは若干ではありますが増加の傾向が見られました。

内容としてはグラフや資料を読み取る記述や、頻出内容の記述に加え、これまでにあまり出題されていない形式の記述題も見られましたが、他の教科と比較すると難易度は低く、解きやすい問題でした。

大問ごとの特徴

〔第1問〕

基本語句の出題は少なく、雨温図の読み取りや、各国の農業の特色を問う問題などが出題されました。また、ブラジルの地域開発に対し立場を明らかにして意見を述べる記述問題など、近年ではあまり目にしない形式の問題も出題されました。
 

〔第2問〕

今年度は外国人の観光客数が多い都道府県に焦点を当てた問題が出題されました。各都道府県で見られる住居や街並みに関する問いや、頻出の資料読み取りやグラフの作成、そしてそれを読み取らせる記述問題などが出題されました。
 

〔第3問〕

古代から中世までの歴史全般からの出題でした。各時代に適切な出来事を選ばせる問題など正確に時代背景を把握しているかが問われました。
 

〔第4問〕

明治時代以降からの出題でした。例年通り、明治初期の政策について問う問題も出題されましたが、これまでのような知識を問う問題だけでなく、問6で出題されたマスメディアの特性を考え、記述するような、自身の意見・考えを述べる問題も出題されました。
 

〔第5問〕

基本的人権や国の政治についての出題が中心でした。定期テストと同程度の難易度でしっかりと学習を行ってきた受験生にとっては解きやすい問題であったと思われます。教科書内容を正確に理解し、丁寧な学習を心がけることが大切だといえます。
 

〔第6問〕

今年度は国際連合に焦点を当てた問題が出題されました。基礎知識を問う問題が多く、政治分野同様に得点しやすい問題が多かったといえます。ワーク・ライフ・バランスについての記述など現代社会の問題に関する知識も問われました。
 

分野 単   元 年   度
H28 H29 H30
地理的分野 日本 地形図
地形・気候・人口
諸地域の特色
産業
交通・貿易
世界 人々の生活と環境
地形・気候・人口
諸地域の特色
産業
交通・貿易
地理総合
歴史的分野 日本史 各時代の特色
各時代の特色
社会・経済史
文化史
日本史総合
世界史 政治・社会・経済史
文化史
世界史総合
日本史と世界史の関連
歴史総合
公民的分野 家族と社会生活
経済生活
日本経済
憲法(日本)
政治のしくみ
国際経済
国際政治
公民総合
各分野の総合問題

平成31年度受験生への学習アドバイス

 
一問一答に答えるための知識はもちろん、語句の記述や資料の読み取り、歴史の並べ替えなど多様な問題に対応するための応用力が求められました。
 
また、受検者の考えや表現を評価する問題も増加傾向にあるため、知識の蓄積だけでなく、思考力・表現力を鍛える必要性もあるように感じました。
 
普段から社会の動きに関心を持ち、考える習慣を身につけておいてもらいたいです。
 
秋以降にスムーズに演習問題に移れるようにこれまでの既習内容は夏までを目標に完成させておくように心がけてほしいです。