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【山形県】平成30年度公立高校入試問題の分析と対策<理科>

【平成30年度入試問題の構成と特色】

大問は、5年連続8題構成で、例年通り『実験・観察』に絡めた出題が多くありました。

小問数は昨年とほぼ同数で、全体の難易度も昨年と大きく変わらない印象でした。

記述問題では日常生活に結びつけられているものが多く、受験生は手ごたえを感じにくかったかもしれません。

大問ごとの特徴

 

第1問

植物の花のつくりについて、観察形式で出題。昨年同様、基礎的な知識を問う問題が多く、得点源となった生徒も多いのではないでしょうか。
 

第2問

自然界のつりあいについて、実験・観察形式で出題。教科書には載っていますが、少し踏み込んだ部分まで問われたので、得点源の生物分野にしては難しく感じた生徒もいたかもしれません。
 

第3問

雲のでき方について、実験・観察形式で出題。記述の問題が半数を占めていました。残りの問題も、表や実験結果を読み取れば答えられる問題でした。
 

第4問

太陽の動きについて、観察をふまえて出題。問1は、あまり見ない形式の記述であり、相手に伝える力が求められましたが、それ以外は、標準的な内容であり、正確な知識があれば十分に対応できる問題でした。
 

第5問

気体の性質について、実験形式で出題。第3問同様、記述の問題が半数を占めました。化学反応式も見慣れないものであり、反応式を作成する際の、正しい知識の理解が求められました。
 

第6問

マグネシウムと酸素の反応について、実験にもとづいて出題。計算問題の出題がなかったため、例年にくらべ難易度は高くなりませんでした。得点に結びつけることができたかがポイントとなりました。
 

第7問

物体の運動について、実験形式で出題。今回の入試問題で、唯一の計算問題の出題がありましたが、何を問われているのかさえ注意すれば、得点できるものでありました。
 

第8問

電熱線を用いた消費電力・発熱について、実験形式で出題。6年ぶりに「発熱・温度上昇」に絡めた出題でしたが、実験結果を正しく読み取れれば、正解にたどり着くことができる問題だったため、物理分野だからといってあきらめることなく取り組む必要があります。
 
 

分野 単   元 年   度
H28 H29 H30
生物 植物のからだのつくりとはたらき
植物の分類
生物と細胞
動物のからだのつくりとはたらき
動物の分類と生物の進化
生物の成長と生殖
遺伝の規則性と遺伝子
 地学  火山活動と火成岩
 地震と地球内部のはたらき
 地層の読み取り、化石
 空気中の水蒸気と雲の発生  〇
 前線の通過と天気の変化  〇  〇
 大気の動きと日本の天気  〇
 地球の運動と天体の動き
 月の満ち欠け、惑星の満ち欠け
 太陽、太陽系・銀河
化学  身のまわりの物質とその性質
 気体の発生とその性質
 水溶液
 状態変化  〇
 物質のなり立ちと化学変化  〇
 化学変化と物質の質量  〇
 化学変化と熱
 水溶液とイオン、電解質の電気分解
 化学変化と電池
 酸・アルカリとイオン、中和と塩  〇
 物理  光と音
 力と圧力
 電流のはたらき、電流と電子  〇
 電流と磁界
 力の規則性  〇
 物体のいろいろな運動  〇
 仕事とエネルギー
 総合  科学技術と人間
 自然界のつり合い  〇  〇
 自然と人間
 環境保全と科学技術

 

 

平成31年度受験生への学習アドバイス

 
実験・観察を中心とした出題傾向にあるため、実験・観察の目的や得られる結果、注意点、考察内容など基礎的な知識を確実に身に付けることが大切です。
 
また、日常生活に絡めての出題も頻出なので、普段からどのような場面に利用されているのか興味を持つ必要があります。
 
さらに、記述形式で出題に備えて表現力を磨いておきたいところです。